追ッ加ー

英: Tikker

音MADで手描きと向き合った話

先日音MADを投稿しました

nico.ms

↑これを作るにあたって手描きに挑戦したという話
記事の内容としては技術解説やコツみたいな話を基本的に含みません
日記の延長線みたいな 行動と思考の記録みたいな内容です
この記事は音MAD Advent Calendar 2022 in Summer 30日目の記事です

1. 構想

まだ曲も素材も手描きをすることも決まってない段階で一番最初に思ったのは「人力を頑張りたい」というところだった
なので最初に曲とキャラクターで相性のよさそうな組み合わせを考えた
その辺りが定まってきた段階で手描きの必要性を考えた始めた
某曲の音MADでは「手描きノルマ」なる言葉が散見される程度には音MADにおいて手描きという手法は当たり前になってきている
しかし手描きノルマという言葉の存在が手描きをする理由になってしまっては手段と目的が逆転している(と個人的には思っている)
これは手描きノルマと言われがちな曲に限らず色々な曲で言えるはずで 今回はその例に漏れず手描きという手法がキャラクターとか出来上がるであろう音声とかの魅力を潰さず活かしてくれるかみたいなことを考えた
正直そういう面で消極的になることは少ないだろうが 曲との適正があるキャラクターが常にMVとも適正があるとは限らないはずなので そのキャラクターはMVのようなポーズをとるだろうかみたいなことも考える
音MAD的には破壊の面白さみたいな分野もあるが今回その方向は狙わないので考慮せず ただ合うかどうかで考える
今回においては性格や実際の漫画やアニメでの描写から考えると十分妥当なポーズをしているし特にそぐわない部分は無さそうだと感じた
致命的な相違といえば服装で MVのように登校時からジャージなレベルで普段からそれを着ているキャラクターではなかったが十分変更可能な範囲だと考えた

2. 前提

まず第一に僕の画力はかなり低い
そう見えないように努力はしたがちゃんと隠しきれているかはわからない
またこの記事が技術解説記事でないのはその辺に由来している
画力自体は以前から常々欲しいと思っているので描くための環境自体はそれとなく整えてある
画力向上のために練習で何か描いてみることはたまにあったが何度やってもマンゾクのマの字にもならず 工程的に言えばラフかよくても下描きくらいの段階で頓挫しては数ヶ月期間が空いてリベンジしてまた頓挫みたいなことを繰り返していた
なので結局これまで一度も線画や塗りといった工程を経験したことがなかった
こういう技術向上系の話では下手でもとりあえず完成させることが大事みたいな話が多いし僕自身その言説にはどちらかというと肯定的である
そんな感じの過程があり これを機に一度絵の完成体験をしてみたいと思った
この段階で「絵を完成させる」も目標の1つになった

3. 実際にやったこと

  • 絵の作業から逃げられない状況を作った

    とりあえず音声を完成させてしまえばそのまま絵を頑張るための縛りにできると考えた
    縛りを完遂するためにも(無論そのためだけではないが)音声は183にしたくないと思えるものになるよう注力した
    合わせて目標投稿日時も設定して作業を後回しにしないようにした

  • 手描きのハードルがなるべく低くなるよう意識した

    頓挫はしたくなかったのでハードルが下がることを良しとした
    一例としては尺の短さとか
    作品の内容を左右する部分を決める理由としてはかなり不健全だと思うし実際最初はワンコーラス+αくらいの長さで作るつもりではあったので一応音声は一度そのくらいの尺バージョンも作ってみたが その上でかなり冗長的に感じたので最終的にはあの尺になった
    要はハードルを下げるために何かするというよりは結果的にハードルが下がる選択をなるべく喜んでいこうみたいな

  • 画風を原曲MVではなく素材の原作寄りにした

    原曲のMVは言うなればシンプルな画風と言えるだろうが これを僕が見様見真似でやろうとしても塗りが終わってない作業途中の絵みたいに見えるだろうと考えた
    配信されている原曲のシングルのジャケ画像はまた少し違った画風になっているが これをベースにするのも難しそうだと判断した
    それと同時に全体的な構成をキャラクター側に寄せたかったみたいな意図もあった
    あまり深く考えてないがもしかしたら上記ハードルの観点からは逆行しているのかもしれない

  • あまりトレースをしなかった

    明らかにハードルの話から逆行しているやつ
    構想の項目でも若干触れているがジャージから別の衣装にする必要性の話とかポーズも改めてこの人物が本当にこの姿勢を取るのであればもうちょっとこの辺に手をあてるんじゃないかとか色々考えてたら結果的にほぼトレースで対処できなくなった
    重ねて比較してみると顎と頭の輪郭と顔のパーツらへんだけトレース要素が残っている

  • それなりにリファレンスを漁った

    同じ曲の音MADや手描きMADや歌ってみた あるいはPixivやTwitterに上がってるファンアートなど色々
    別に手描きに限らずリファ漁りは大事だが今回は比較的しっかりやった気がする
    ジャージ程厚くない素材の服でどういう体の輪郭になるかを一番の目的として漁っていたがほとんどの手描きにおいてジャージやパーカーなど厚手の上着を着ていて その方向ではあまり参考にならなかった
    一方でキャラデザのリファ集めも必要だったのでアニメや原作を鑑賞しつつ参考になる画像をフォルダに集めた
    実際にベースにするのを原作のキャラデザにしようと考えたのはこの辺りだった気がする
    一応キャラクター側の二次創作イラストも漁ったが結局ほとんど参考にしなかった

  • 頑張って描いた

    描いた

  • 完成させた

    やったね

4. 反省点

  • 下描きの段階で違和感のある箇所を妥協して進めた
    • デッサンが崩れていることがわかってもそもそものデッサン経験値が低すぎて何度描き直しても違和感が無くならなかった
    • ので後で進めながら修正しようと思って線画や色塗りまで進めた結果修正する気がゼロになった
      • 修正しながら進められるのなら多分最初から下描き段階でしっかり描けてたのだろうし根本部分の修正の労力は進捗すればする程上がる
  • 時間かかりすぎ
    • ワンドロなる文化があったり1日1絵みたいな文化があったりするのでそれらと比較して圧倒的に時間がかかった
      • 動画に使った絵だけで1週間強
    • そもそも息抜きにワンドロをやるような方々と比較するのが間違っているかもしれないが 遅いものは遅い
  • デカすぎ
    • 今回は動画の構成上絵を拡大して使ったりはしない上にFHDより大きい解像度の動画にはしないとわかっていながら8kサイズ(7680x4320)のキャンバスで描いた
    • 大は小を兼ねるのであまり後悔はしてないが よっぽどそんなサイズである意味が無い場合はもっと適切なサイズがあるかもしれない
      • 今回PC負荷あたりの問題は無かったが実はデカすぎると比較的描くのが難しくなるんじゃないかという仮定
  • 作業時間を甘く見積もって投稿目標日時を超過した
    • 丁度よかったので本当は7月20日に上げる予定だった
      • 🦀
    • よっぽどな妥協と超過を天秤にかけて結局満足するまで作ることにした
  • 表情差分の妥協
    • 描き始める前に必要なものをしっかりリストアップしなかったので動画を作りながら表情差分(半目開いた表情)が足りないことに気付いた
    • 歌詞も書かなきゃじゃんってそのときに思い出したが時間的にこれ以上は厳しいという建前で歌詞だけ追加で書いて表情は別の内容の差分を描いて妥協した
      • その人物がその表情をするかみたいな部分も大事なのでこの妥協が常に悪だったとは思ってない が最初にあった思考が人物像ではなく単に追加の労力を回避する方法だったのでそこが反省点と言える
  • 腰痛すぎ
    • 腰痛すぎ

      • 多分姿勢の問題で腰が痛すぎた
    • 絵と向き合うときは前からそうだったので対策を考えたいが 机を変えるとか椅子を変えるとか予算と労力などを考えたくない

    • 腰痛すぎ

5. 今後

結構パワープレイで完成まで漕ぎ着けた感が強いので今後これを安定して何回もやれる気は全くしていない
そもそもこの記事自体が今後の自分宛てに当時の解決方法を思い出させるために書いたようなものなのに肝心な部分が何も参考にならなそう
今回とは別のアプローチを模索していこう

6. 余談

毎回毎回動画を上げる度にこんな色々書く気力はないが自分の中ではそれなりに大きめな一歩だったのでアドベントカレンダーに乗じて言語化した
書く前からそうなる気はしてたが書いていく内にどんどん内容がアドベントカレンダー向きじゃなくなっていった実感がある
この記事を書くにあたってエディタの環境をそれなりに整えたので次書くときは結構スムーズに書けるかもしれない
人力に触れるといよいよ記事の収集がつかなくなるので意図的に触れていないが 機会があればそっちの話もするかもしれない